「髪、やっと乾いたね」


私の髪に手をやり
優しそうに微笑みかけている。


「あ、うん・・・」


「じゃあ、ごはんでも行って
映画観にいこっか。
あ・・・その格好じゃ寒いかな・・
たしか・・・ちょっと待ってて」


そう言いながら
クローゼットにかかっている上着を出し



「これなら、女の子でも着れるから」


そう言いながら
グレーのパーカーを
差し出してくれている。


「ありがとう」



私が知らないだけで

世の男達も、リオンくんみたいに
こんな優しいんだろうか・・・

こんな気配りができるんだろうか・・・



もし、そうなら・・・


女である私は

更に優しく、気配りができないといけないって事で・・・



・・・無理だ。


私は、そんな気がきかない。


って事は、私を好きになってくれる男性なんて
この世に存在しないんじゃ・・・



「真弓ちゃん?どしたの?」


パーカーを羽織りながら
思わず、真剣に考え込んでしまっていた。