「真弓?眠いなら
部屋行かねぇと
風邪ひくぞ?」


リビングの扉から
総一の顔が
ひょこっと出ている。


「あ、うん」


体を起こし
そう一言言うと


「ちょっと、あいつ送ってくるから」


「あー・・・うん、分かった」


「真弓?」


「ん?眠いから
寝ようかな。
おやすみ」


テレビと電気を消し
総一を押しのけるように
リビングを後にすると


「真弓ちゃん、またね。
おやすみ」


廊下にいた、総一の彼女に
そんな言葉をかけられ


「おやすみなさい」


顔なんて上げれるはずもなく

うつむき加減のままそう言うと

足早に部屋へと入った。