「·········朝か。」
昨日はよく眠れなかった。もちろん、凪流の事だ。
なんでいじめられたのか?なんで気づいてあげられなかったのか?考えてもキリが無かった。
「私が·········悪かったんだ······ごめんなさい·········ごめんなさい······凪流·········。」

もう、学校に行くのが怖くなった。でも、逃げちゃいけない。私は、逃げては、いけない。

勇気をだして教室に入る。
「──·········おはよう。」
「おはよー。」
「おはよ!」
皆、私に笑顔で挨拶する。

凪流は·········どこ?みると、凪流の席は沢山の落書きで埋め尽くされている。もちろん、凪流はいない。

「ねぇ。」
私は緊張しながら、いった。

「やめようよ······?いじめなんて···一体······一体誰が楽しいっていうの?·····いじめられて楽しい人なんて·····一人もいないよ·········。」

途切れ途切れだが、何とか言葉を紡いだ。
すると、いつもグループの中心にいる一人の女子が立ち上がった。

「そこまであの女が大切なら、貴女が土下座してよ。そしたら、許してあげるから。」
李乃は顔を上げた。
「本当·········?」
「もちろん。」

それを聞いて、李乃は頭を下げていく。
「やめなよ」
「やりすぎ·········」
クラスメイトの声がちらちら聞こえてくる。でも李乃は構わない。