「ごめんなさい·········。」
私は一体誰に謝ったのか。
目の前にいる人か、それとも·········

凪流だった。

私の頭に浮かぶのは凪流のことばかり。
ドジで弱気な私を、いつも、いつも、助けてくれた。今度は私が、凪流を、助けるの·········。

私は床に頭をつけた。

「·········そっ、そこまでやるなら許してあげるわよ。顔をおあげなさいよ。」
「やめて、くれるんですね·········?」
「そうよ。」

「有り難うございます·········。」

これが、凪流への精一杯の恩返しだった。
これで、終わったつもりでいた。
だが、無情にも悪夢は続くのであった。