「お母さん!ごめんなさい!だして!」

ドンドンとドアを叩く男の子。

廊下に響くノック音。

ドアの向こうでお母さんが言う。

「お前が悪いのよ。お前のせいでお母さんが言われるの。お前が悪いことばかりしてるから。」

「ごめんなさい!ごめんなさい!」

泣きながら何度も謝る。

「今日だって『あなたのお子さんまた悪いことしたらしいわね』なんて言われたわ。」

「ごめんなさい!お母さん!お母さん!!助けて!もう悪いことしません!」

その言葉を最後に、お母さんは台所に戻った。

これは、ある日のことであった。