「お前、爽馬のことばっかで俺なんて眼中にないの分かってたから、ずっと黙ってた」 でも、それじゃ何も変わらない。 何も始まらない。 今更だけど、やっとそのことに気づけた。 「……ごめん、あたしずっと隼人を傷つけてたんだね」 楓が申し訳なさそうに謝る。 「何謝ってんだよ。楓悪くねーし。しかも俺は、楓のそんな一途な所も好きになったんだから」 「うう……」 楓はストレートに言われるのに慣れていないらしく、頬を赤くしながら目を逸した。