今まで溜め込んでいた感情が抑えきれなくなって溢れ出して。 ぽろっと、自然に、何気なく出てきた言葉だった。 「……え?」 楓はピタリと動きを止め、俺をじっと見る。 不思議なことに言ってしまった後悔も、焦りも、不安も、何もなかった。 「好きだ」 俺はもう一度言う。 「何が」 「楓が」 「誰が」 「俺が」 「隼人が、あたしを、好き?」 「俺が、楓を、好き」