『……2年A組、春井爽馬さんです!』 俺の右にスポットライトが当たる。 ちらっと見ると、爽馬はいつもと同じように爽やかな笑顔を振りまいていた。 今日一番の歓声が体育館に響いている。 楓の声もこの歓声の中に混じっているんだろう。 『感想どうぞ!』 爽馬にマイクが渡り、少し歓声が収まる。 「……みなさん、投票ありがとうございました」 爽馬は穏やかに、ゆっくりと話しだした。