「……パンいいや。気持ちだけ受け取っておく。ありがとな」 そう言うと楓は頷き、再びパンを食べだした。 ……すげぇ不意打ちだった。 楓のことだし爽馬のこと考えてんのかと思ってた。 だからまさか俺にねぎらいの言葉が来るとは思わなかった。 しかも、あの屈託のない笑顔。 その笑顔を見るだけで悩み事とかどうでもよくなってくる。 ああ、やっぱり俺は。 あの純粋でまっすぐな、眩しい笑顔を持ってるあいつが好きなんだ。