「…あ……」 真っ赤な顔をした彼が、私の顔を疑うように覗く。 「ご…めん…ね…」 痛む左手首には白い包帯。 熱い左手には、彼の両手。 「…もういいよ。もう全部………全部…聞いたから…」 さらに顔を赤くして、涙を流す彼。 「……よく…ないよ…。も……わたし…だめ…なん…だ……」 なんでだろう? 声が震える。 そんな私の左手に、彼の涙がこぼれ落ちる。