ヒナタちゃんの就活

さすがに、この場にいる全員が緊張している様子だ。

日向の手は汗をかいた。

しかし、日向にはある程度の自信があった。

その自信に裏付けはそれほどあるわけではないが、かといって全く根拠のないものでもない。

それは、採用人数の問題。

景気が良くなっている、経済の背景もあり、採用人数は拡大している。

例年の採用よりも楽になっている。

また、日向は昨晩イメージトレーニングを重ねている。

それこそ寝ずにイメトレを行った。

頭が冴えて眠れなくて、就職活動用の手引書まで夜通し読んでいたのだ。

不安は不安だったのだが、イメトレをやればやるほどにいける気がしてきた。

イメトレの中では、日向は面接官の質問に対して、立て板に水のごとく答えている。

面接官とは談笑すらしていたのだ。

話がはずむはずむ。

面接官はぐいぐいと日向に引き込まれていく。

日向の天性のキャラクターに面接官はメロメロだ。

面接官からの変化球的な質問。

スパッとキレのある解答。

さすがは私。


どう考えてもうまく行く。

鉄壁のロジックだ。

これで失敗はないだろう。

大丈夫、うまくいく。