都内某所。
カフェ「Only You」

「ねーねー。佑ちん?絶対従業員二人とか足りないよ。おんなのこ!おんなのこ雇おうよー。」

佐野優(さの まさる)がカップを拭きなが
ら話しかけてきた。

「ほら、僕たちイケメンだしぃ?イケメンカフェって売り出すのもいいけどさー。カフェには花が必要じゃーん??」
 
「気が向いたら。な。」

「その気、向くのに何ヶ月待てばいいんだよー…」 

優と俺、黒澤佑(くろさわ ゆう)は幼なじみで腐れ縁。 
仲もよかったし、お互いカフェとかで働きたいからってことで作っちゃったのがこのカフェ[Onry you]。

なんでか分かんないけど、オープン初日からたくさんのお客さんで賑わっていて、いいスタートを切った。

「お前、そんなことよりあと1時間弱で開店なんだから店の前掃いて。」

そういうと、優は頬を膨らませて

「もう!佑ちん、人使い荒いっ!」

なんて言いながら外へ向かった。