ブランコに揺られているワタシを見て、私は自分に触れようとしたけど、手が画面から出てこない。


私の視界は、まるでテレビのカメラアングルみたいで私は自分を鑑賞しているようだった。


声も出なくて、辛かった。


ただ、ひたすら心の中で私は叫んでいた。



何で、そう叫んだのかは不明だけど。


私は……。
『早く帰ろうよ!』



何で、そう思ったのかは不明だった。


ただ、寝る前の胸騒ぎがその時もっと騒ぎだしたのだ。


しかし、目の前にいるワタシは目に涙を浮かべたままで一向に立ち上がろうとしない。


そんな時、冷たい風が、ワタシにぶつかってきた。、


ワタシはそれに反応して、やっと顔を上げた。



「あ、ダメ。早く、帰んないと。」



ワタシはそう口に出して、頬を伝う涙を吹き歩き出した。



ベージュのフワッとしたカーディガンに中は黒いシャツ。
そして、短パンのジーンズに膝を越した靴下。それからスニーカー。

髪型は普段から必ずポニーテールで、その頃は前があった。

前髪は七三分けみたいだった。


小学五年生の頃に秋から冬にかけてよく着ていた服だ。


結構お気に入りだった。


ワタシはブランコから腰を上げ、公園をあとにした。


それまでの帰り道、俯いたまま帰っていた。