「オレさー、すんげージャンプ出来んだよぉー」


やたらと『オレ』のオを強く発音するんだよね、小学生男子ってさ。


「でもねー、次は気をつけようねー、じゃないとまた目をガツンてぶつけちゃって大怪我するからねー」


やんわりたしなめる看護師さん、分かりますよ、幼き男子というのは無謀な生き物。


ケガする事なんか、ハナっから考えちゃいないんですよ。


「コリてないよねー、ケガしたのにさ」
「分かるよ、その気持ち。俺もそうだもん」
「男かな、これは」
「分からん、どっちでもいい」


当時、あたしの最大の関心事はお腹の中の子供の性別。


それが分かるのは3ケ月後、男か女か、それで長男の嫁としてのお気楽加減が違って来るワケです。


強制されてはいませんが、よく聞く話なので。


あるお母さんは、女の子を出産してすぐにやって来た姑に


「早く次を生んでね、次は男の子よ! 」


と言い放たれたと言います。