目を覚ますと公園のベンチだった。


もう夜なので子供たちは、いなくてしーんと静まり返っている。


あれ?


濡れタオル?


これ。


「ひろの?」


「熱あるんだからやってろ。」


ゆっくり私に近づいてくるひろ。片手には、ミネラルウォーターを持っている。そして、それを私のほっぺにくっつけた。


「ひゃあっ」


熱が高いせいか気持ちいい。



「飲めよ。水分取った方がいい。」


私はミネラルウォーターを受けとる。蓋をあけてごくごく飲む。

ミネラルウォーターの冷たさが体全体に染み込む。


「ずっと…いてくれたの?」


ミネラルウォーターをぎゅっと握りしめる。


「ああ。おまえ、熱がすごかったから濡れタオルで冷やしてミネラルウォーターを買ってきたんだ。」


私のために。


「そんなに…心配してくれたんだぁ」


ぱあっと笑う私。

ひろの顔は真っ赤だ。


「うるせーなぁ。悪いかよ」


クスッと笑ってしまう。





やっぱり好き。


こんな私だけど…


ずっとひろの隣にいたい…