浮気の理由。


その言葉を聞いた菜々子は、ポツリポツリと語り出した。

「私も、さみしかった。
でも、太一誕生日で…
私の時に、とても嬉しかったから、少しでも見合うお返しがしたくて。

遅くまでバイトしたら、止められると思ったし内緒にしてたの。

昨日の男の人はバイトの先輩で、やましい関係なんかじゃないんだよ?
たまたま、だったの…。」


俺があげたお揃いのリングを見つめながら言う菜々子。


全ては俺がバカだっただけだった。


結局子供じゃねーか、俺は。