泣いている彼女を部屋に入れた瞬間。 俺は菜々子を抱き締めた。 「悪かった…ごめん。」 「…ちがっ、私、が、悪いの。 全然会わなくて…心配させ、たもん…。 やだ…うっ…すき、だもん、嫌いにならないでっ…」 「分かってる、分かってるから…。」 こんなに泣く菜々子を見るのは 初めてだった。 あの、別れた時よりも、子供みたいに泣いていた。