俺、こんなにあいつのこと好きだっけ。 すげぇすきなのは自覚してたけど、これは重症だ。 「最近バイト詰めしてたから、てっきりあんたのためにお金稼いでるのかと思ったのに。」 女の勘は外れたかしら、という母親。 「なんの話だ。」 「よく夜遅くに帰ってるみたいだから、心配して聞いたのよ。 そしたらほぼ毎日バイトしてるって。 太一には内緒ですよ、って言ってたからてっきり。ねぇ?」 …バイト? 「なんのためにバイトなんかすんだよ。」