浮気の理由。




「日曜日だし、菜々子ちゃんとは出かけないの?」


なんの気無しの言葉だったと思う。


だけど俺にとっては、ボロボロのハートを打ち砕くミドルシュートだった。


「…いかねぇ。」


「あら?ついに愛想つかされちゃったの?」


俺の落ち込みっぷりにやっと気づいたのか、心配そうに言う母親だが。


「うっせーよ。」


改めて他から言われると、現実味があって。