「それって此処に閉じ込められるってこと!?」
パパが頷く。
「鏡が壊れたら、出口が閉ざされるってことだ」
私は改めて、操舵室の窓に映し出された魔法の鏡を見つめた。
それは既にヒビ割れて不気味な影を落としていた。
「ねえパパ。何とかならないの!?」
珍しくチビがパパに噛み付いた。
「そう言えば一つだけ……聞いたことがある」
私はパパの一言を待った。
でもパパはなかなか口を開かなかった。
「それは……、乙女の鮮血だ」
パパはやっと言った。
(えっ!? 何それ?)
私はパパの一言で又固まった。
「それは……乙女の鮮血を鏡に注ぐ……。っていうことだった」
「乙女の鮮血!?」
驚き声と共に、私はチビと顔を見合わせた。
「えーっ、どっちの血?」
そう。
二人共乙女だった。
(そうかだから……私は女子会で……だから乙女のままだったのか? そうだ、きっとこの日の為に……)
「解らない。パパはただ乙女の鮮血だと聞いただけだった」
パパは肩をがっくりと落としていた。
「きっと私よ」
チビが言う。
「だってパパの子供は私だもん。パパの為だったら、血だってあげちゃうよ」
チビはウインクしていた。
(不思議だった。何故女子会オンリーだったのかが? このために……?)
それしか考えられない。
(だから大人になることに躊躇いがあったのか? 大人になりたくなかったのは、パパを助けるためだったのか? 雅に聞いて貰いたかった。メグにもベスにも聞いて貰いたかった。でももう会えなくなるかも知れない。そんなの絶対にイヤだ! 何とかしなくちや! このままじゃいけない。お願い。誰か助けて!)
私は、ゆっくりとキャプテンバッドの骸骨に目を移した。
キャプテンバッドの指先が僅かに動いていた。
私は目配せをして、パパにこのことを知らせた。
そっと操舵室の窓を見た。
「うわっー!?」
「ひえぇー!?」
その時私達が目にした光景は……
操舵室の窓にへばり付いた骸骨だった。
大型客船内で身を潜めていた骸骨達が、ヒビ割れた鏡の魔力によって次々と再生して行く。
そして、私達のいる操舵室になだれ込んで来る。
それぞれの手に、あの武器を持って……
パパが頷く。
「鏡が壊れたら、出口が閉ざされるってことだ」
私は改めて、操舵室の窓に映し出された魔法の鏡を見つめた。
それは既にヒビ割れて不気味な影を落としていた。
「ねえパパ。何とかならないの!?」
珍しくチビがパパに噛み付いた。
「そう言えば一つだけ……聞いたことがある」
私はパパの一言を待った。
でもパパはなかなか口を開かなかった。
「それは……、乙女の鮮血だ」
パパはやっと言った。
(えっ!? 何それ?)
私はパパの一言で又固まった。
「それは……乙女の鮮血を鏡に注ぐ……。っていうことだった」
「乙女の鮮血!?」
驚き声と共に、私はチビと顔を見合わせた。
「えーっ、どっちの血?」
そう。
二人共乙女だった。
(そうかだから……私は女子会で……だから乙女のままだったのか? そうだ、きっとこの日の為に……)
「解らない。パパはただ乙女の鮮血だと聞いただけだった」
パパは肩をがっくりと落としていた。
「きっと私よ」
チビが言う。
「だってパパの子供は私だもん。パパの為だったら、血だってあげちゃうよ」
チビはウインクしていた。
(不思議だった。何故女子会オンリーだったのかが? このために……?)
それしか考えられない。
(だから大人になることに躊躇いがあったのか? 大人になりたくなかったのは、パパを助けるためだったのか? 雅に聞いて貰いたかった。メグにもベスにも聞いて貰いたかった。でももう会えなくなるかも知れない。そんなの絶対にイヤだ! 何とかしなくちや! このままじゃいけない。お願い。誰か助けて!)
私は、ゆっくりとキャプテンバッドの骸骨に目を移した。
キャプテンバッドの指先が僅かに動いていた。
私は目配せをして、パパにこのことを知らせた。
そっと操舵室の窓を見た。
「うわっー!?」
「ひえぇー!?」
その時私達が目にした光景は……
操舵室の窓にへばり付いた骸骨だった。
大型客船内で身を潜めていた骸骨達が、ヒビ割れた鏡の魔力によって次々と再生して行く。
そして、私達のいる操舵室になだれ込んで来る。
それぞれの手に、あの武器を持って……


