何時も母の傍にいた。
母一人子一人。
それが当たり前だった。
お互いの寂しさや苦しさを分かち合うために。
でも私は我が儘だった。
母の痛みにも気付いて遣れず……
なんて親不孝なん娘だったのだろう。
私は泣いていた。
自分が情けなかった。
母の傍に居ながら、何も気付かす笑っていた。
何時も母の傍にいながら……
パパの記憶のない私は家族のことも知らず……
母に甘え続けた。
何も知らず、何も考えず、それが当たり前だと思っていた。
(ママー、ごめんなさい)
私は魔法の鏡の向こう側にいるはずのママに向って謝った。
ふと目を外すとチビは其処でまだ寝ていた。
私は仕方なく、パパの元へ抱いて運んだ。
「頼もしいな」
パパは笑っていた。
「ん……? パパ?」
あれ程までに起きなかったチビがパパの笑い声で起きていた。
(えっ!? 流石パパだ。あの硬い甲板の上でどんなに揺さぶっても起きなかったチビが……)
私は苦笑しながらこの親子対面を喜んでいた。
これが私の望んでいた光景だったのだ。
そう。
だから危険を承知で此処に来たのだった。
操舵室の窓に満月が見える。
その光が私のクロスペンダントに当たる。
「それはパパの……」
パパはそう言いながら、自分の首にあったお揃いのペンダントを外した。
「はい。これはキミの分だよ」
パパはクロスペンダントをチビの首に掛けた。
パパから貰ったお揃いのクロスペンダント。
今二人の胸に輝いた。
でもそれはパパとのお揃いでらなかった。
チビと私、二人だった。
(そうかだから何時も身に着けていたんだ。でも何故で貰ったかも忘れていた。そうか! 解った。此処で貰ったんだ!)
私はハーフパンツのポケットに入れていた手鏡を思い出した。
私が魔法の鏡をねだった時にパパが買って来てくれた物だった。
でもパパは私の手鏡を見た時、同じように鏡を取り出した。
お揃いとでも言うのだろうか?
それは同じ図柄の合わせ鏡だった。
「パパ……パパが魔法の鏡だって言って渡してくれた手鏡。本当はあれで良かったの」
私は二つの鏡を合わせてみた。
「この鏡は何処に置いてあった?」
「チビ……ううん私の部屋だけど、」
妙なことをパパは聞くなと思いながらも私は素直に答えた。
タイムスリップした時、確かにチビの枕元に置いてあったからだ。
母一人子一人。
それが当たり前だった。
お互いの寂しさや苦しさを分かち合うために。
でも私は我が儘だった。
母の痛みにも気付いて遣れず……
なんて親不孝なん娘だったのだろう。
私は泣いていた。
自分が情けなかった。
母の傍に居ながら、何も気付かす笑っていた。
何時も母の傍にいながら……
パパの記憶のない私は家族のことも知らず……
母に甘え続けた。
何も知らず、何も考えず、それが当たり前だと思っていた。
(ママー、ごめんなさい)
私は魔法の鏡の向こう側にいるはずのママに向って謝った。
ふと目を外すとチビは其処でまだ寝ていた。
私は仕方なく、パパの元へ抱いて運んだ。
「頼もしいな」
パパは笑っていた。
「ん……? パパ?」
あれ程までに起きなかったチビがパパの笑い声で起きていた。
(えっ!? 流石パパだ。あの硬い甲板の上でどんなに揺さぶっても起きなかったチビが……)
私は苦笑しながらこの親子対面を喜んでいた。
これが私の望んでいた光景だったのだ。
そう。
だから危険を承知で此処に来たのだった。
操舵室の窓に満月が見える。
その光が私のクロスペンダントに当たる。
「それはパパの……」
パパはそう言いながら、自分の首にあったお揃いのペンダントを外した。
「はい。これはキミの分だよ」
パパはクロスペンダントをチビの首に掛けた。
パパから貰ったお揃いのクロスペンダント。
今二人の胸に輝いた。
でもそれはパパとのお揃いでらなかった。
チビと私、二人だった。
(そうかだから何時も身に着けていたんだ。でも何故で貰ったかも忘れていた。そうか! 解った。此処で貰ったんだ!)
私はハーフパンツのポケットに入れていた手鏡を思い出した。
私が魔法の鏡をねだった時にパパが買って来てくれた物だった。
でもパパは私の手鏡を見た時、同じように鏡を取り出した。
お揃いとでも言うのだろうか?
それは同じ図柄の合わせ鏡だった。
「パパ……パパが魔法の鏡だって言って渡してくれた手鏡。本当はあれで良かったの」
私は二つの鏡を合わせてみた。
「この鏡は何処に置いてあった?」
「チビ……ううん私の部屋だけど、」
妙なことをパパは聞くなと思いながらも私は素直に答えた。
タイムスリップした時、確かにチビの枕元に置いてあったからだ。


