呉汰は思ったのだ。 何か目的を…将来の夢を見つけなければ、父のようにただ何となく生きていくのはいやだ。 他人のやる気とかうらやましく思いながら何もしない人生なんて嫌だ。 俺は父のようにはならない。 呉汰は思ったのだ。 …ここまで自分の父をこけにするとは…。 同じ人生を歩みそうだったのでしょうね。 親子だものね、呉汰も父 向汰もそっくりね。 「呉汰は昔、カメラが好きだったよな」 父は自分のショックを打ち消そうと違う話題にした。 「そっだっけ?」 呉汰は首を傾げる。