ええい…!!

俺は乙女に怒りすら覚えた。

この女は…どうしてこんな時にまで他人の事なのだ。

心も体も傷つき、意識を外に向ける事さえ苦痛だろうというのに、なぜこのような時くらい自分勝手に振る舞わぬ…!!

こんな時まで、なぜ戦乙女であろうとするのだ…!!

「しっかりつかまっていろ」

俺は走り出した。

こういう時こそ疾風たる俺の役目だ。

こんな時に疾風の身を活かさず、いつ活かすというのだ。

「すぐにお前を戦場へ連れて行ってやる!!」