この世にはお姫さまのような人が実際に存在する。


長く色素の薄い茶色い髪は天使のリングが輝き、ゆるくウェーブしている。
チャームポイントは大きなパッチリとした瞳。
雪のような白い肌に色づく桃色の頬にぷっくりとした赤い唇。

誰もが羨む絶世の美少女。


優しく、純粋で、時にお茶目。


どんなに不機嫌な人でも、彼女にかかれば笑顔に変えてしまう天性の明るさを持っている。


そんなお姫さまを世は放っておくはずもなく、彼女の住む砦には毎日のようにたくさんの王子さまが愛を囁きにやって来た。



色とりどりの王子さま達。


だが、恋など知らぬ純粋で子供な彼女はやはり、私にベッタリだ。

まだ、真実の愛など興味も無く、無頓着。


誰もに愛されているのに、私さえいればいいという考え。

昔から全く変わらない。


そのお姫さまは、私のお姉ちゃんだった。