ーードカッーー



「ぃ....ったぁ」




ジンジンと頬に感じる痛み
添えた手を見ると血がついていた


唇の端を切ってしまったようだ




「おまっ....馬鹿か!!」



そう言ったのは
宇都宮彪牙


あやまるまえに
馬鹿だなんて....


ほんっと、こいつ最低....っ



「何てこというんだ、彪牙!!!
先に謝るのが先決だろう!」

そう哀川匠が言ってくれた
この人は....優しいなぁ

「うるっせェな
俺はお前みてぇに甘くねーんだよ」




(....この....ひねくれ不良め....)



「雪乃さん。すまない。
俺らの喧嘩の仲裁のために
こんな....」

そう言いながら
哀川匠は私の殴られた右頬に手を添え
優しく撫でてくれた



ードキッ



不覚にもときめいてしまう

宇都宮彪牙とは正反対だ、うん。




「保健室に行こうか」



「や、いいです!
絆創膏持ってるし!大丈夫です!」


あまりにも顔と顔が近いので
目を背けてしまった


ードキドキ....



(....鳴りやめ、鼓動っ)



なんとなく
恋の予感がしていた