「単刀直入に聞こう
もう、決めたかい?」

旧家庭科室に着くなり
匠くんは口をひらいた。



「うん....あのね」


私はゆっくりと
クリーム色の椅子に腰掛ける


「昨日、一晩考えたんだけど
私、いじめを選ぼうと思う」


そう言うと匠くんも
私の目の前の椅子に腰掛け

「そうか」と顔をかいた。


私はコクりと頷き
つい自分も顔をかいてしまう。


匠くんは何か
考えているようで
少しの間黙っていた。