❀ 「単刀直入に聞こう もう、決めたかい?」 旧家庭科室に着くなり 匠くんは口をひらいた。 「うん....あのね」 私はゆっくりと クリーム色の椅子に腰掛ける 「昨日、一晩考えたんだけど 私、いじめを選ぼうと思う」 そう言うと匠くんも 私の目の前の椅子に腰掛け 「そうか」と顔をかいた。 私はコクりと頷き つい自分も顔をかいてしまう。 匠くんは何か 考えているようで 少しの間黙っていた。