すると匠くんが
電話を終えたみたいで
こっちに帰ってきた。

「すまない。急用ができてしまった。
....彪牙、雪乃を頼む」

そう言って匠くんはそそくさと
走って帰ってしまった。


慌てた様子だったけど
大丈夫かな....



私がボーッと考えてると
彪牙が「さっさっと帰んぞ」
と私の頭にまた腕を置いてきた。

その手を振り払い、
わざとに

「匠くんがよかったなぁ〜」

と意地悪く言ってみる。
すると彪牙は眉を寄せて

「襲われるぞ」

とひとこと。


「ありえるわけないじゃん」


匠くんに限ってさ。
あんたならありえるかもだけど(笑)