「誰?お前」




シンとした空気の中で
一番初めに口をひらいたのは

その3人の中でも

最も最もイケメンで
そして最もドSそうな男だった。


その男は
金髪につり目。
その上、シルバーのピアス。

日本人ばなれした
端整な顔立ち....はその他の2人もそうだけど。

とりあえず日本人のくせに
キラキラ金髪がめちゃくちゃ似合ってる


第一印象は....そうだな

俺様。



「誰って....天宮 雪乃といいます」


って、つい自己紹介してしまった。


「いや、覚える気ないから
教えなくていいし」



は!?


ヒッドくない!?え!!?



「ちょちょちょ!
あんたが聞いたんじゃん!
誰?って!」



「....あんたって言うな。3年だぞ?
お前見るからに1年だろ。
俺は宇都宮 彪牙(ウツノミヤ ヒュウガ)
覚えてもらわなくてもいいけど
今だけは名前で呼べ馬鹿女」



「ば、ば、馬鹿女ぁ!?」


超!ムカつく!!
何こいつ!!!

超!最低!



怒りを噴出してると
宇都宮彪牙の友達(?)
その2人が話しかけてきた



「すまないな。
許してやってくれ。
ちょっと、いやかなりひねくれてるんだよ
こいつは」


そう言ってくれたのは
黒をベースに赤のメッシュが入ってる頭した、これまたイケメン。

大きな瞳に白い肌
背は宇都宮彪牙より少し低い

耳には宇都宮彪牙と同じ
シルバーのピアス


「ひねくれてなんかねぇよ」



「俺の名前は哀川 匠(アイカワ タクミ)
同じく3年生だ。
雪乃さん、気にしないでいいよ」


「は、はい」

ニコリと笑った哀川匠は
ずーっと一日みつめていてもいいってほどかっこよかった。


「おい、こら。匠!
テメェ、シカトぶっこいてんじゃねーよ!」


「うるさいな。
少し静かにできないのか?」

「テメェが喧嘩売ってんだろが!」


「俺が何でお前なんかに
喧嘩を売らなくちゃならないんだ?
無駄でしかない」


「んだと!?」



険悪なムードを漂わせてる
二人を私はボーゼンと見ていた


(ハッ!止めなきゃ!!)



急に目覚めた私は
どうにかこの二人の喧嘩を
止めようと

声をかけるが
どちらともにも私の声は
届いてないらしい



「ど、ど、どーすればいいの....」


ふとその二人の後ろに目を向けると
もう一人男子がいた


勇気を出して
その男子に声をかける


「あ、あの、ちょっと」



「ん~?」



どうやら携帯ゲームをしているようで
私の方を向いてくれない


「そこの二人の喧嘩を止めて欲しいんだけど....」


「ほっとけば~
その内収まるよ~」


「いやいやいや!そういう問題じゃないでしょ!!
止めないと怪我しちゃうじゃんか!」


「はぁ~?めんどくさいな
自分で止めれば?」

そう言ってその男子は顔をあげた


(う....わ。美少年....っ)


白い肌にまつ毛の長い
黒く美しい大きな瞳。
サラサラの黒い髪の毛は
キューティクルを傷つけるなんて論外です!って語ってるようで

美少年!!って感じ。


....じゃなくて!



「自分で止めれないから
頼んでるんでしょ!?」


「僕に押し付けないでよ
だから女って嫌~」


(....う。ご最も....)



「わかったし!!
いいもん!自分で止めるからさ!」


「止めれるわけないじゃん
大男2人の喧嘩だよ?
あんたが怪我しちゃうよ」


「....他の人が怪我しちゃうよりいいもん!」


「....へぇ....」







....そうは言ったものの....

どうしよう(;・∀・)



私....カンフーとか習ってないし
超ノロマだし、
超弱いし


喧嘩なんてしたことないのに....



ど、ど、どうしよう!


でもでも
止めなきゃ!!!