「やだ。」と彪牙。
「彪牙なんていたら喧嘩に
なってしまうだろう?」と匠くん。
「彪牙なんてって、なんてって
なんだよ!はっ倒すぞ!?」
「うるさい」
ちょいちょいちょい!!
また喧嘩が始まっちゃう!
私は我慢ならず二人より
もっと大きな声で叫んだ。
「落ち着いてってばぁ!
二人とも仲良くして?お願いだから!
私、早く家に帰らないとほんとにヤバイの!」
一瞬時が止まる。
そんな中
携帯の着信音が夜空に響いた。
「誰か鳴ってるよ」 私が言うと
匠くんが俺、と携帯を
ズボンの右ポケットから取り出した。
そして「ちょっと、すまない」
と言うと匠くんは少し向こうに
行ってしまった。