「俺が送るし
お前が帰れよ」
真っ直ぐに彪牙は
匠くんを睨む。
すると匠くんは「お前に任せられるか」
と、どちらも一歩も譲らない様子だ。
もう時刻は9時半をまわっていた。
部活が終わった時間が
8時だったというのに
一時間半も無駄にしている。
親には連絡してるから
大丈夫だとは思うけど
機嫌が少し損ねられるのは
覚悟しなければならない。
だからちょっとでも早く
帰りたいのに....
なんなのよ....もぉ。
「ねぇ、私早く帰りたいんだけど」
そう私がいうと
二人はこっちをまたバッと見た。
そして先に口を開いたのは匠くんで。
「じゃあ、こうしよう。
俺か彪牙。どちらか選んでくれないか?」
突然匠くんは
とんでもないことを言い出したのだった。