「私もフルネームやめるから
あんたもフルネームやめてよね。」

「....ふん。」

うっわ。何こいつ。ムカつく!

「あんたはなんて呼ばれたいの?」

「何でもいいって」

「じゃあ、ひゅーちゃん」

自分も嫌だが
宇都宮彪牙も先ほど嫌だと言っていたので
わざとにそう言う。

「彪牙でいい」

ぼそっとつぶやいた宇都宮彪牙だったけど
ちゃんと聞こえた。

「彪牙くん....」

「君付け気持ちわりー。
寒気がする、やめろ」

「....はいはい。なら彪牙、ね。」

「おう。天宮。」

........え。
今、天宮って言った?

え。まさかのまさかの名字なの?
いや。バスケ部のみなさんは
全員下の名前なのに名字なの?

「女嫌いだっつってんだろ
慣れてねーんだよ。」

「あ、あぁ。そういうこと。
わかった。」

「おう。」

....女嫌いって
このまま大人になっても女嫌いなのかな。
そしたら、彪牙って結婚できないじゃない。
可哀想な独り身人生を約束した男なんだ...


かわいそう...