私の回転の遅い頭のせいで
皆を待たせてる...。
ただでさえ、皆部活で疲れているのに...。
困ってる私の様子を見かねたのか
匠くんが近くのイスに座り
長い足を組み、こう話した。
「何も今日までじゃなくてもいいか」
ニコリと私の目を見て優しく微笑む。
「明日の朝練の前にでも
その決断内容を聞けばいい
焦ることはない。時間はあるんだ。」
そう匠くんが言うと
恭ちゃんが携帯を弄りながら
「同意」と答えた。
ほかの皆も同じ気持ちらしく
静かに頷いた。
「....ごめんね、ありがとう....」
するとガシッと頭を掴まれた。
「わっ」
私の頭を鷲掴みした手は
クシャクシャ〜!っと私の頭を撫でた。
「女みてぇに凹んでんじゃねぇよバァカ」
宇都宮彪牙は悪ガキが見せるような
悪戯な笑みを八重歯ともにのぞかせた。
「....女だもん」
何だか照れくさかった。