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....あの時のことか。
私が自己紹介をする前....




宇都宮彪牙は『オイ』と私を呼び
静かに耳打ちしたのを思い出した。

でも...


私は聞こえなかった。




あまりに宇都宮彪牙の声が小さすぎて。
全く聞き取れず聞き返したのだが


宇都宮彪牙は集合をかけてしまって....



「忘れたとか?」




宇都宮彪牙は眉を寄せると
そう問いかけた。






「違う。聞こえなかったの
もう一度言ってよ。なんて言ったの?」