(....なにこれ....)


シーンとした雰囲気が
私が自己紹介を終えた今現在でも続いてるという....


なんと....失礼な態度なのでしょぉか....。


私はどうしていいのか分からず
オドオドしていると

「じゃ、終わりな
天宮雪乃さんでした」

とまた素っ気なく
こっちを見ることなく
自己紹介を終わらせた宇都宮彪牙。


覚悟しとけって....
やっぱり、これ(シカト)のことなの!?
そんなの....無理だし!(涙)


「ストレッチ!!」


「ウィーッス!!」

キュッキュッ!!

宇都宮彪牙の声とともに
部員達がバッシュの摩擦音を立てながら
自分達の位置へ移動を始めた。


(こんなの....毎日になったら
私、耐えられないっ!無理だよ!)

こんな大人数にシカトされ続けるなんて
悲しいし心細いっ(泣)


「ね、ねぇ!宇都宮彪牙!」


この状況を打破する方法を
聞くために宇都宮彪牙に話しかける。


....話しかけた


....のに。



宇都宮彪牙は
あっさりこっちを見ずに
私の隣から部員達の方へ歩いて行ってしまった。


「...は....?え?なに」



な、なんで?
さっきまで話してたのに

なんで急にシカトなの。


(....ちょぉ、最低!!)



「雪乃」



怒りを噴火させていると
後ろから名前を呼ばれて振り返った。

私を呼んだのは匠くんだった。
私は宇都宮彪牙に話そうとしたことを
匠くんに話し始めた。


「ね、ねぇ...なんでなの?
これ....ずっとなの?」


「...彪牙があの感じじゃ、ずっとになる」



「....何とか出来ないの?....」


私がそう聞くと
匠くんは頭を抱え込んでしまった。

(あっ....迷惑になっちゃう....っ)


これから先が不安で不安で

宇都宮彪牙が何とかしない限り

無理だということを知っているけど

匠くんなら何とかしてくれるって思ってしまって

つい助けを求めてしまった。



「ご、ごめんね。えへ。
無理だよね!冗談だよっ!」


ほんとはこれから先が
怖いけど。


私が我慢出来ればいい話だしねっ


笑顔でそう言うと

匠くんは顔を上げた。



「何とか出来る」



「...え?」