「ちょ...奈央ちんー!」
...どうしよう。
どうしよう!!!
追いつけないよ!!
学年女子の中で短距離走1位の奈央ちん
学年女子の中で最後から5番目の私...
追いつけるわけなぁぁぁい!!
「はぁっ...はあっ...見えなくなっちゃった」
その場に座り込む。
どうしよう。
奈央ちんに嫌われちゃった?
奈央ちんがあんなに大きな声出すところ
はじめてみた。
どうしよう。
ごめんね、ごめんね...奈央ちん。
でも...奈央ちんはまだ勇太くんのこと
好きなんだよね?
あたし、でも......
奈央ちんの幸せ大切にしたい...
「おい」
「...え」
「なにそんなとこで座り込んでんだよ
お前は」
「...!彪牙!!」
「彪牙!!じゃねー...。
お前さぁ...また部活サボったろ!?」
「...あ」
「こんの...馬鹿!!!
やる気あんのかボケ!!!」
「...ちょ、そこまで言わなくても
いいでしょ...」
「言うね!俺は言うね!!
だって俺、キャプテン様だもんよ!」
「...もう、ほんと...それどころじゃ...」
ポタっ...
「...なっ、天宮!?」
「...っ。うー。」
「なに泣いてんだよ!?」
「...っ。奈央ちん...奈央ちんに
嫌われちゃったかもー...っ。」
もう涙が止まらなかった。
奈央ちんと喧嘩して
奈央ちんから大声で怒られて。
嫌われたかもしれない。
「なおちんー?なんだぁ?誰だ??
ダチか?」
こくりと頷く。
「...ったく...おまえなぁ...。
じゃー朝サボったのもそれか?」
またこくりと頷いた。
すると彪牙が私の頭をゆっくりと撫でた。
「え...?」
「ほんと、馬鹿。おめーは馬鹿だ、マジで」
「ひど...っ」
「......でも、俺は嫌いじゃねーよ。」
「...!」
ふっと笑って
私の涙を拭いた。
とくん...
あ、なんだろう
心が一瞬すごい、あったかかった。
「ほら、立て。俺も一緒に探してやるから」
「...ありがと...」
「............」
「............」
「............どうした??」
「...腰抜けちゃって...立てない...みたい?」
「はぁぁ!?」
...あー、もう。
最悪だよね...。
あたしの...ばか。

