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「なーおちーーーん!!♪」


「なに?」


ぎゅーっと奈央ちんに抱きつく。


「な、どうしたのよ?雪乃?」

「あのね、あのね!
嬉しい報告があるんだ!」

「ふふ、どんな報告なの??」

「勇太くんのこと!!」


そう私が言うと奈央ちんは顔を引きつらせた。


「...聞きたくない。
ていうか、今後一切そのムカつく名前は
口に出さないで」

「違うよ、そんなんじゃないんだよ?」

「...いいから。やめてよ」

「お願い、聞いて、奈央ちん!!」


奈央ちんは本気で嫌そうな顔をしていた。

...その時私は思った。


もう、奈央ちんが勇太くんのことを
好きじゃないなら
言ったって意味ないんじゃないのかなって


「もう、好きじゃないの...?」

「...もう、雪乃!やめてってば!!!」

「!!」


奈央ちんは涙目で叫んだ。

教室中にその声が響く。


「...っ。ごめん!」


そう言って奈央ちんは
教室から走って出ていってしまった。

...追いかけなきゃ...。

私はその後ろを追いかけた。