朝学校に向かう途中だった。



「奈央!!!!」

「きゃっ!」

ぎゅううう!!と抱き着かれる。
甘い香水の匂いがあたしを包んだ。

....って奈央ちんのこと!?
あたし、雪乃だし!!

「ちょ!離して!!奈央ちんじゃない!
あたし雪乃!!天宮雪乃です!!」

ぎゅうううううう!!

。。。まったくきいてない!この人!!
なんなの....!?

怖い!!

「奈央....ごめん....ごめん、奈央。
許して?奈央....」

「離して!奈央じゃないってば!」

すると後ろの人は
急にあたしの耳を甘噛みした。

「ひゃっ!?....ちょ、ほんとやめて!!
たすけ....っ」

ドゴォ!!

フワッと肩が軽くなる。
咄嗟に後ろを振り返ると

「....勇太....くん!?」

そこに倒れていたのは何と
奈央ちんの元カレの勇太くんだった。

「....大丈夫?」

呆然としてると
急に声をかけられた。
顔を上げるとそこにたっていたのは
茶髪にウルフカットの
青い瞳した背が高い人。

どうやらこのひとが
助けてくれたっぽい。

「....あ、ありがとうゴザイマス」

「いいよ、いいよ。
名前は?可愛いね!」

「へ?あたしですか?
天宮雪乃....と申します....」

「....!」

名前をいうと
その人ははっと驚いた顔して
「ユキ....?」

「え?」

「....いや!なんでもねぇ!
とりあえずコイツが起きる前に
さっさと学校いけよ!」

「え、あ、はい!ありがとう!」


そしてその人は
でかい大型のカッコイイバイクに乗って
ブオオオオン!と大きく音を立てて
去っていってしまった。

「........ユキって言ったよね....?
知り合いだったのかな....?」

そんなことを思いながら
足元に倒れてる勇太くんを見る。

「ちょっと可哀想....
起きるまで待っとこう....」