「さて...明日は誰を指名するのかな、雪乃は。」


「...誰を指名...って...
それって、」


匠くんは複雑そうに笑う。


「ああ、そうだよ、
多数決で日替わり専属SPということに
決定だ。
まぁ、そうなるだろうとは
思っていたけどね。」


「で、でも...ほんとに...
それでいいの...?匠くんは...」


そう私がつぶやくと
「はぁ?」と彪牙。


「な...なによ」


「おまえ。なんで匠だけなんだよ?
日替わりなんだぜ?
匠だけじゃなく俺にもなんか
言うべきなんじゃねーの?」


そう彪牙に言われて
カァッと顔が熱くなる。


(確かに、匠くんだけって
おかしいよね...っ
なにゆってるんだろ。私!馬鹿!)


「だっ...だって
匠くん嫌そうな顔してるみたいだったし...」


素直に謝ることができず
言い訳をする。


「そぉなのかよ?匠」


「いや?そんな顔はしてない。
見違いじゃないかな?雪乃。」


「そ、そうなんだ...
ご、ごめん。なんか。」


「謝らなくていいよ
俺はただ、雪乃と他の男が
二人になるのがちょっと微妙に感じてた
だけだからね」


「ちょ、まてよ。匠。
それが嫌そうな顔の原因なんじゃねーの」


彪牙が半ば怒ったような雰囲気を出していて少し怖い。



「...どうだろうね」匠くんは微かに口元を緩めた。



「...」

シーンとした空気が流れる。



どんどん時間は経っていくのを
感じ、私は焦っていた。



(今日のぶんの復習も
明日のぶんの予習も終わってないのに!
早く帰りたいよぉ〜!)