恐る恐る後ろを振り返ると
そこには明らかにバスケ部の男子。
部室のドアに寄りかかりこちらを見ている。

見た目は当然かっこいい。
彪牙よりは小さいが背も高く
綺麗な鼻筋に少しつり上がった黒い瞳。
焦げ茶色のサラサラそうな髪の毛。

でも何処か不穏な雰囲気が
漂っている....そんな感じだった。



「あんた新しいマネージャーだろ?」



無表情にそう聞いてきた。


「そうだけど...」


「こんなとこで何やってんの?掃除?」


「うん、まぁ....」


「へぇ....ま、いいや。」


そう彼は言って
私に近づいてきた。

そんな彼を私は
見ていたんだけど

その距離があまりに近すぎてきたので

「な、なに?」

と慌てて聞く。


「初めて?」


「はい?何が?」


私は何か分からずにキョトンとしていると
彼の手が私の口を塞いだ。