そして、少し困ったような笑顔で一言。
「ありがとう」
俺は伝えて本当によかったのか少しだけ不安になった。
それが伝わってしまったのか、
「教えてくれてありがとう。あの、ほら、いきなりでビックリしちゃったんだ。まさかまた会えるかもしれない機会が訪れるなんて思ってなくて………」
さっきとは違う少しだけ頬が赤く染まっている気がした。
そんな姿を見ると出原がうらやましくて仕方がないけど、これは出原だからこそ出来るのだと思うとこれでいいんだと納得してしまう。
少しだけ続いた沈黙を破るように俺が口を開く。
「じゃあな。無理して行かなくてもいいから……」
「ありがとう。じゃあね」
今日一番の笑顔を見た気がしてうれしくなった。

