優雅の背中を引っぱたいて、私は市役所を見た。 もう王子の姿がなかった。 ・・・誤解、した? ・・・遊びだって思った? 大人をからかう女子高生だって思った? 違う。 違うんだよ、王子。 私は、王子しか好きじゃない。 あまりにも嫌がったので、優雅は相当落ち込んでいた。 「佐藤、頼むからあの男と付き合うなよ。姉ちゃん本気だからさ。」 山田は山田でそんなことを言って、私を混乱させた。