灰皿王子と視線がぶつかった。 天井に煙を吐きながら、見下すようにこっちを見た。 ちょっと怖い顔で、目だけをこっちに向けて… 「は、灰皿…」 私の口を押さえた亜沙子。 もう少しで、灰皿王子に「灰皿王子だ!」って言ってしまうところだった。 灰皿にタバコを乱暴に押し付けた王子。 ドキドキ… 「なんじゃい、おめ~ら。ガキの来る場所じゃね~べ。」 飲み終えた缶コーヒーの缶を、空き缶入れに投げ入れた王子は、 不機嫌そうな背中を私の脳裏に焼きつけて、その場を去った。