津田は僕の前にあった人生のレールを持ち上げて、そのレールを遠くに投げて、微笑んだ。




「小早川先生、どうして?」



「キスをするのに、他に理由があるか?」




津田は僕に抱きついて、大声で言った。



「小早川先生、好きです!!」



「僕も君が好きだ。僕と禁断の恋に溺れてみないか?」




津田は大きな口を開けて笑いながら、瞳に涙を浮かべて頷いた。


僕の周りに張り巡らせていたはずのフェンスは案外もろく消え去った。



僕は、「卒業まで待つ」なんて言葉を言えず、生徒である津田との禁断の恋をスタートさせた。



驚くくらいに不安はなかった。



恋が僕を強くする。




何があっても大丈夫なんだと思わせてくれる笑顔を胸に抱いて、僕は走り始めた。





~小早川目線END~