その子が毎日俺ばかり見ていることに気付いた。
俺もいつの間にか、その女子高生を目で追っていた。
別に興味はないが、姿が見えない日は、ちょっとだけ心配になった。
だんだん不思議な気持ちになってきた。
あの子の声ってどんなんだろう。
あの子の性格はどんなんだろう・・・なんて想像している俺がいた。
そんな日々を過ごしているうちに、ひょんなことからその子と出逢ってしまった。
偶然に・・・
神様のいたずらで。
突然ぶつかってきて、その後俺を追いかけて来た。
まさかな。
あんなに遠い場所からしか見えない俺に恋をするなんて・・・
佐藤陽菜。
彼女は、俺を好きになったらしい。
ありえないだろ?
声も聞こえない、顔もよく見えない距離にいる俺に恋をするなんて。
彼女は言った。
いつも携帯灰皿を持っている所が素敵でしたって。
そんなヤツは、そこらじゅうにいる。
いきなり告白されて、いきなり俺の前から去っていく。
突然、俺の心の中に顔を突っ込んで、「好き好き好き」って叫んで出て行った。

