幼い頃に父親を亡くした。
父親は、公務員だった。
俺は小学校の頃から、将来の夢は公務員だった。
夢のない子供だと大人は俺を笑った。
でも、俺は母さんからよく聞かされていた。
父さんの仕事は、安定していて、市民のみんなの為の大事な仕事なんだ、と。
高校時代にバンドに夢中になって、音楽の道へ進みたいと思ったこともあった。
でも、俺は結局、公務員になる道を選んだ。
母さんを安心させてあげたかった・・・
俺のことをいつも心配している母さんを、安心させてあげるには、父さんと同じ公務員になることが一番の近道だった。
音楽は、趣味でいい。
音楽で食っていけるほど、俺には才能も根性もない。

