赤くなったり、目をきょろきょろしたりして、混乱する私を見て、王子は優しく微笑んだ。
「陽菜は、俺のこと・・・どれくらい好き?」
シートに寝たままの私の頭上に、思いきりSな顔した王子がいる。
「すごく好きです。めちゃめちゃ大好き・・・」
このまま、王子に抱かれてもいいと思った。
「辛い想いさせたな。よく頑張ったな。」
今度は優しい顔に変わり、私の頭を撫でた。
今度こそキス?
私は唇を緊張させて、少し目を閉じてみた。
王子、じらしすぎだよぉ。
「キスして欲しい?」
王子はまたSな顔で、ニヤリと笑う。
王子の髪が私の頬に当たるくらい顔が近い。
「・・・はい。」
私は、そう言って、目を閉じた。
全神経を唇に集中させて、待っていた。
私のファーストキス――
「そんなに簡単にするかぁ、ば~か!」
王子は、私の頬を軽くつまんだ。

