優雅は、優し過ぎるくらいに優しかった。


あれから、優雅は友達として接してくれた。



デートをしようとか、好きだとか言うこともなく、ただ、楽しい友達としての時間を過ごした。



それが優雅の愛し方。

優雅の愛の示し方だった。



優雅を好きになれたなら・・・

私は、もうこの胸の痛みを感じなくなるの?




少しずつだけど、優雅を異性として意識し始めた頃だった。


まだ、それは恋なんて呼べないものだけど。




「ちょっと、いい?」





帰ろうとして、鞄に教科書を入れている時だった。


突然山田に声をかけられた。