そうこうしているうちに、携帯に王子から電話がかかってきた。
『今から何する?何して欲しい?』
電話の向こうの王子は、酔っ払っている時のような甘い声をしていた。
「一緒にいれるだけでいいです!!」
大声が喫茶店に響き、視線を集めてしまった。
喫茶店の前に現れた王子は、今日は黒のスーツを着ていた。
私の直感通り、王子は酔っていた。
「さっき、お疲れさまってことで乾杯したんじゃ。ちょっとしか飲んでないのに、酔ったぁ!陽菜~俺のこと、好きにしていいよ。」
わざとフラフラと歩きながら、私の肩に手を乗せた。
好きにしていいって・・・
そんなセリフを言えちゃう王子は、やっぱり大人。

