放課後、私は国語準備室へ亜沙子を送ってから、あのホテルへ向かった。



もういないかも知れない。


でも、いるかも知れない。




自転車を返す為っていうのは、口実で・・・


本当はただ会いたかった。





私は、今朝乗ってきた自転車を押しながら、高級ホテルの前まで行くと、入口のドアを見つめた。




あの自動ドアの向こうに、いるかもしれない。



大好きな晴斗さんが。