私と亜沙子はトイレで化粧直しをした。



と、言っても学年でもナチュラルメイクな方な私達の化粧直しは1分もかからない。


油取り紙で、顔の油を取って、軽くファンデーションで顔を叩く程度。



「これ、使いなよ!」


亜沙子が貸してくれたほんのりピンクのリップをつけて、いざ出陣!!




「まずは、国語準備室行こう!」


私と亜沙子は手を繋ぎ、小早川の元へ。



扉を開けっ放しにしたままだったので、亜沙子と小早川の会話を聞いてしまった。



「津田、昨日はすまなかった。家に帰って思い出してみると、ひどいことをしてしまった。申し訳ない・・・」



「そんな!!全然いいです。先生、寝ぼけてたんでしょ!それに、一瞬だったから覚えてないです!」



亜沙子は嘘を言った。


きっと亜沙子はその一瞬の小早川の肌の温もりを一生忘れないのに・・・




「実はな・・・彼女と別れたばっかりで・・・その夢を見てたんだ。それで、昨日目覚めた時に、目の前に津田がいて・・・寝ぼけていたせいで、とっさに抱きしめてしまったんだ。」



小早川、別れたばっかりだったんだ・・・



じゃあ、山田の彼女の有希ちゃん情報も結構新しいってことかな。


「先生さえ良ければ、いくらでも私を代わりに使ってくださいね!」



亜沙子ったら・・・


こっちが照れちゃうようなセリフを・・・!!!



いきなり告白した私を尊敬すると亜沙子は言ったけど、そんなことを言えちゃう亜沙子を尊敬しちゃう。